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家系図の不思議

松崎整道居士 講演

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一 墓とは何ぞや

今回はからずもご縁が出来まして、このように多数の諸君にお目にかかり、 多年私が研究いたしました、 墓と家運の関係、ならびに墓相について、一席お話を申し上げる機会を得ましたことを幸せと存じます。

墓 の 意 義

さて墓とは何であるかと申しますと、これを学問的に説明いたしますと、 日本語のいわゆる「ハテカ」または「ハテル」、 すなわち終焉(しゅうえん)の場所の意味であり、 漢字の「墓」もまた終焉の土地の意味で、 人の屍(しかばね)を処置した所の意味であります。 その文字を見ても墓という文字は、土の上に人が横たわり、それに日が当たり、草をかむらしてあります。
 およそこの世界において、人が造ったもので最も規模が大きく、 また荘厳なものは何であるかといえば、お墓であります。また最も規模が小さく、 また簡単なものは何であるかといえば、これもまたお墓なのです。
 試みに今、その大きな事例を二三(にさん)、わが国建築学の権威者である伊東博士の著書から引用しますと

仁徳天皇陵

世界的の墓地の数々

わが国の仁徳天皇の百舌鳥(もずの)耳(みみ)原中(はらのなかの)陵(みささぎ)は、 東西三百間(545.46m)、南北四百間(727.28m)で、総面積は十余万坪に達し、 人工の造営物でこれに勝る大規模のものは世界にはないそうです。
またインドのアグラ市にあるタージ・マハールは、モグール(ムガール)朝のシャー・ジャハン帝の愛妃の墓であるが、 その秀麗壮観なことは有名であり、その工費は現在の物価に換算すれば少なくとも二億円(昭和五年当時)に達し、 これが世界で最も高価な建築物だそうです。
 また、エジプトのピラミッドは、約五千年前にクフ王が築造した墓で、 その底面が核七百七十尺、高さが四百八十尺で、これに要した石材は、約七千万立方尺で、 その重量は十四億貫目で、すなわちこれが、世界第一の重量を有する建築物であります。
支那北京の北にある明の長陵は、永楽帝の墓であるが,その参道の入り口なる牌楼から、 陵まで実に十五支那里と称せられ、その間に大紅門、碑亭、華表、石獣、石人、隆恩門、隆恩殿、明楼などが 立ち並んだありさまは、実に世界第一の大袈裟なる配置であるという。(当時の一支那里は現在の何キロかは調査中)
日本でも徳川家康の墓、すなわち日光東照宮の美観は、日本第一であるばかりか、 いまや世界の驚異をもって称せられるものである。
さらに小さいものの例を挙げれば,子どもが亡くなったが、棺を買う資力がないため、 空の蜜柑箱を手に入れ、これに納めて葬った。このくらい規模が小さく簡単なものはありません。 むしろ真にあっけないほどであります。
 このように世界の建築物の中で最小な物は墓であり、また同時に最大なものも墓です。 また、一国のうちで最も荘厳な建築物が墓であると同時に、最も簡素なものもまた墓なのです。
 墓のことを考えると興味がつぎつぎ湧いて尽きなく、同時に一種の神秘さを感じざるをえません。

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