■「墓じまい、樹木葬、散骨、合同納骨堂」について
近年は、「墓じまい」「樹木葬」「散骨」「合同納骨堂」が多くなって来ており、新たにお墓を建てられる方が少なくなって来ているように感じられます。
「墓じまい」は、その家に跡取りがいなくなった場合に、止むを得ずとる方法です。
あるお家の話しですが、息子がいるにも拘らず、「息子に負担をかけたくない」「息子が遠方にいて墓参りは出来ないと言ったので…」「うちは娘ばかりで全員嫁いだので…」などの理由で墓じまいをされているお家があるようです。
本来お墓はご先祖様の家であり、日々の供養と感謝をする場所であります。また自分達のルーツでもあります。樹木に例えて言えば、根っこはご先祖にあたり、幹は両親、枝葉は自分達、花や実は子孫や財産にあたります。もし、ご先祖にあたる根っこを切ってしまったら、その木は枯れて倒れてしまいます。言い換えれば「墓じまい」をするということは、自分達の家が大変な事になってしまうということになります。また、お墓を無くすことは、ご先祖に「もう何処かに行って下さい。みんなでホームレスになりましょう」と言っているのと同じ意味になりますので、非常に怖いことです。
「樹木葬」は、お骨を木の下や木の周りに納めることですが、あくまでもお骨を納める事だけを考えています。仏の魂や今後の供養のことはあまり考えていないと言えます。 お参りの際は、木に向って手を合わせるのでしょうか?今後その木が枯れたり倒れたりしたらどうなるのでしょうか・・・
「合同納骨堂」は、跡取りがいなくなった時などに、最終手段としてお骨を納めて頂く場所です。結婚したが子供を授かれなかった夫婦や子供に先立たれた方、または独身で養子もいない方などが、どうしてもお墓を撤去してお骨を何処かに納めないといけない場合には利用されるとよいでしょう。あるところでは、独身の女性達の会があって、その方達だけで入る納骨所などもあるようですが、ただお骨を納めるだけのことでしょう。本来は独身女性の場合は本家のお墓に入ることになります。本家の方も、そのような独身女性をお墓で祀っていない場合には、同じような運命を辿る子孫が出てきたり、いろいろ問題が起こりやすくなります。
「最後に」時代と共に文化や風習は変わるところもありますが、決して変わってはいけないところもあるのではないでしょうか。人は人から生まれ、人はその先人たちに長年感謝し供養することをいつの時代にも行なって参りました。それはこれからも必ず続いて行くものであり、決して変わってはならないことです。現代の日本における少子化問題の根本には、こうした古き良き風習、文化でもあったご先祖を敬い慈しむ心や作法が失われつつある結果ではないでしょうか。
まだ、間に合う内に気付いて頂きたく願っております。
日本という国を滅ぼさない為にも・・・