樹木葬、散骨について
近年になり、樹木葬(じゅもくそう)と言って、樹木の根元や周りにお骨を埋葬して、その樹木を拝むという何とも言い難いことをされている方々がいらっしゃるようです。
また、散骨(さんこつ)と言って、お骨を粉末状にしたものを海洋に持って出て、船上から流す方もいらっしゃるようです。
昔の日本では、風葬や鳥葬、土葬など様々な遺体の葬り方があった様ですので、遺体(お骨)の葬り方については、どれも否定するものではありません。
ただ、時代が進みつれ様々な埋葬の仕方とは別に、拝み墓(墓石)を建てて故人の供養をするようになって来ました。
肉体は土に返しますが、魂(霊魂)は供養するという仏教(儒教)の教えを取り入れて、今日まで来ているお家が多いかと思います。(宗教によっては、考え方が相違するところがあると思いますがその点はご容赦下さい)
この樹木葬や散骨自体は悪くはないのですが、肉体(お骨)と魂(霊魂)は別々のものと考えて頂きたいです。
仏教では、輪廻転生(りんねてんしょう)と言って、人は死ぬと魂はまた違う世界に生まれ変わるという教えがあります。
死者の肉体は土に返しますが、魂は六道(天上、人間、修羅、畜生、餓鬼、地獄)のどこかに生まれ変わるようです。しかし、子孫はその魂がどこの世界に生まれ変わたのかが分かりません。
もしかするとその魂が、餓鬼道や地獄道などの良くないとされる世界に行っているかも分かりません。その魂を救う一つの方法として、供養するということがあります。
供養を日々することで、その魂(霊魂)が早くいい世界(天国)に行って貰えるように拝みます。
人が亡くなれば、初七日、二七日、三七日・・・七七日(満中陰)の供養をしますが、これは、その魂(霊魂)のために、初七日の不動明王尊、二七日は釈迦如来、三七日は文殊菩薩・・・七七日の薬師如来まで、家族や親戚がそれぞれの明王や菩薩、如来にお裁きをお願いすることであります。その後も、100ヶ日、一周忌、三回忌と続きます。
供養には、まだまだ他の意味もありますが、省略します。
樹木葬や散骨は悪くはないので、されても問題はないのですが、樹木を拝むことはやめて頂きたいです。
樹木には、魂(霊魂)が宿り供養を受けるところではないと思います。樹木は生物です・・・この木が枯れたり、切られたらどうなるのでしょうか・・・
この樹木とは別に墓石(拝み墓)を建てることを考えて頂きたいです。
墓石は、魂(霊魂)が供養を受ける場所であり家であります。
また、ご自分の両親や祖父母のお墓であれば、感謝を述べ現在の家庭の報告をする場所でもあります。
お墓は、自分たちのルーツであり、根源ではないでしょうか。
お墓(墓石)とはただの石ではなく、そこには奥深い意味が多々あるということをご理解頂きたいです。
●現代のお墓事情に物申す!ご相談フォーム
家系図のこと、お墓のことなど、ご相談があればこちらのフォームからお気軽にご相談ください。